AIリライトのプロンプト|元記事の主張を変えずに直す5ステップ

AIリライトのプロンプト設計

AIを使えば、既存記事の冗長な表現を整理したり、読みにくい箇所の改善案を出したりする作業を効率化できます。実務で使っているオウンドメディア担当者、一人マーケターの方も多いと思います。

実際、一人でオウンドメディアを回している担当者にとって、リライトはとくに時間を取られる工程ですよね。記事ごとにチェックすべきところが異なり、思った以上に工数が重くなることも、時としてあります。

ただし、指示が曖昧なままAIへ原稿を渡すと、元記事の主張が変わる、確認していない情報が追加される、必要な条件や例外が削られる、といったことが起こり得ます。文章としては読みやすくなっているため、差分を確認する必要があります。目視は欠かせません。

AIリライトをする際、重要なのは、AIへ文章を渡す前に「何を直すか」と「どこまで変更してよいか」を決めておくことです。

この記事では、SEO・オウンドメディア記事をAIでリライトする5ステップ、そのまま使える基本プロンプト、リライト後の確認チェックリストを紹介します。参考にしてください。

目次

AIリライトとは?AIを使って既存記事や文章を改善する方法

AIリライトとは、生成AIを使って既存の文章を書き直すことを指します。使われ方は幅広く、「AIリライト」で検索すると、文章の言い換えや推敲を行うオンラインツールが数多く見つかります。

実務では、次のような作業に使われています。

  • 冗長な表現の整理
  • 読みにくい文章の言い換え
  • トンマナの調整
  • 説明が不足している箇所の候補出し
  • 重複した説明の整理

この記事で扱うのは、このうちSEO・オウンドメディア記事のリライトです。別の言い回しへ置き換えることではなく、公開済みの記事を読者にとって分かりやすく、正確な状態へ更新していく編集作業を指します。

前提として押さえておきたいのが、AIと人の役割分担です。

  • AIが担当すること:文章の整理、改善案の生成
  • 人が判断すること:何を直すか、内容が正しいか、その案を採用してよいか

この線引きが曖昧なまま作業を始めると、次章以降で説明する事故が起きやすくなります。

AIリライトを始める前に「何を直すか」を決める

AIへ原稿を渡す前に決めておくことが2つあります。

  • リライトの目的と改善箇所
  • AIに与える変更権限

順に見ていきます。

リライトの目的と改善箇所を特定する

「順位が低いから全部直す」ではなく、何を改善するリライトなのかを先に決めます。

目的の例は次のとおりです。

  • 冗長さの解消
  • 説明の明確化
  • 古い情報の更新
  • 検索意図とのズレの修正
  • 不足観点の補完
  • トンマナの統一

改善箇所を特定する材料は3つあります。

1. Search Consoleの数値

必要に応じて、クエリ、表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位を確認します。

注意したいのは、平均掲載順位が固定的な検索順位ではないことです。Googleは平均掲載順位を「すべてのクエリで平均した、そのページへのリンクが占める最上位の位置」と説明したうえで、順位単独よりも表示回数とクリック数の傾向に注目することを推奨しています。(参照:What are impressions, position, and clicks?|Google Search Console ヘルプ)https://support.google.com/webmasters/answer/7042828 (参照:Performance report: Common tasks and use cases|Google Search Console ヘルプ)https://support.google.com/webmasters/answer/17010961

2. 現在の検索結果

対策キーワードで実際に検索し、上位のページが何を、どこまで書いているかを確認します。

ここで見るのはコピーする材料ではありません。検索者が求めている情報と、自分の記事とのズレです。

ただし、上位記事にあって自分の記事にない見出しやコンテンツを、無条件に追加するのは避けます。

自分の記事テーマに沿っていて、検索意図を満たすうえで不足している内容があった場合に、追加の参考にします。

3. 記事そのもの

情報が古くなっていないか、読みにくい箇所はないか、説明が足りていない部分はないかを確認します。

この工程で行うのはSEO診断そのものではなく、AIへ何を依頼するかを決めるところまでです。

「変更可・提案のみ・変更禁止」を決める

改善箇所が決まったら、AIに与える権限を3つに分けます。

区分AIにどうしてもらうか
変更可本文を変更してよい冗長表現の整理、文章整理、重複表現の削除、提示済みの根拠に基づく事実情報の更新
提案のみ本文へ反映せず、人へ戻す構成変更、大幅な加筆、主張や評価の変更、根拠確認が必要な事実情報の修正
変更禁止今回は触らない引用文、クライアント指定表現、今回変更しないと決めた確定事項

この3区分は業界の標準規格や特定ツールの機能名ではなく、実務上の整理です。名称そのものより、3つに分けるという考え方が重要になります。

ポイントは真ん中の「提案のみ」です。

「改善した方がよい可能性がある」ことと、「AIにその場で変更させる」ことは別だからです。AIが構成の問題点に気づき、その指摘が妥当な場合もあります。しかし構成を変えるかどうかは、記事の役割や他の記事との関係を踏まえて人が判断すべきことです。

区分が「変更可」と「変更禁止」しかないと、こうした内容の行き場がなくなってしまいます。

AIと人の判断はやはり違うこともあります。以前、実験的にAIが提案したリライト案の大部分をそのまま採用し、記事を全面的に書き直したことがあります。その記事は、大きく順位を落としました。変更前の元原稿をバックアップしていたので、元に戻したところ、順位も戻りました。AIの提案が、上位記事に寄せた網羅的なものだったためと考えています。

リライトにおいて、人が見て変更すべきかどうかを判断するのは、とても重要なことです。AIに多くの工程を任せると、人は確かに楽になります。しかし、結果まで保証されるわけではありません。

ただし、これは「構成を変えるな」という話ではありません。

AIに勝手に構成を変えさせないことと、SEOリライトで構成を絶対に変えないことは、まったく別です。検索意図と現在の構成がずれていれば、構成変更が必要になることもあります。変えるかどうかを決めるのは人です。

事実情報も同じ考え方です。

数値・料金・日付・固有名詞を一律に「変更禁止」とするのではなく、原則は「根拠がなければ変更・補完させない」とします。公式情報などの根拠を提示し、その範囲で更新を許可した場合は、AIに更新させて構いません。

3区分は、AIを制限する仕組みではありません。人の判断を素通りさせない仕組みです。

AIリライトのやり方|実務で使う5ステップ

AIリライトの実務フロー

ここからは、改善箇所と権限が決まった後の作業手順です。

1. 元記事・対策KW・作業条件を整理する

前の工程で決めた内容を、AIへ渡せる作業条件の形に整理します。

  • 元記事
  • 対策KW
  • 改善箇所
  • 変更可の内容
  • 提案のみの内容
  • 変更禁止の内容
  • トンマナ、表記・編集ルール
  • 必要に応じて参考資料と前後の文脈

もう一つ、このステップでやっておきたいのが元原稿を比較・復元できる状態にすることです。方法は問いません。

  • 元原稿を別ファイルへコピーする
  • Googleドキュメントなどの版履歴を使う
  • CMSのリビジョン機能を使う

AI案を直接CMSへ貼り付けてしまうと、何がどう変わったのかを確認できなくなります。ステップ4で差分を確認でき、必要なら元に戻せる状態を、作業前に作っておきます。

2. 変更可・提案のみ・変更禁止の条件をAIへ伝える

AIへ指示を出す段階です。「何を改善してほしいか」と同時に、「どこまで変更してよいか」を明示します。

伝えるのは次の7点です。

  • 改善目的
  • 変更してよい内容
  • 本文を変えず提案だけしてほしい内容
  • 変更禁止事項
  • 事実情報の扱い
  • トンマナ・表記ルール
  • 出力形式

毎回書き起こすのは手間ですよね。テンプレートとして持っておくと作業が安定します。具体的な形は後述の基本プロンプトで示します。

3. 改善箇所に応じて範囲を区切ってリライトする

リライトの処理単位を決めます。

  • H2単位
  • H3単位
  • 数段落単位
  • 特定の説明部分

全文をまとめて処理すること自体を否定するものではありません。ただし、一度に扱う量が増えるほど、どこが変わったのかを把握しにくくなります。記事全体を見直す場合でも、処理と確認の単位をそろえておくと変更内容を追いやすくなります。

範囲を区切る場合は、必要に応じて前後の見出しや文章も参考情報として渡します。前後が分からないと、接続が不自然になったり、他の見出しと同じ説明を繰り返したりするためです。

ただし、渡した前後の文脈にある情報を、AIが対象箇所へ書き足してしまうことがあります。参考として渡す部分は「リライト対象には含めない」「新しい情報として追加しない」とプロンプトで明示しておきます。

4. 元原稿とAI案の差分を確認する

AI案だけを読んで良し悪しを判断せず、元原稿から何が変わったかを確認します。

AIが出力した文章は、それ単体で読むと整っていることが多いですよね。だからこそ、問題があっても気づきにくいのです。

確認するのは次の点です。

  • 追加された情報
  • 削除された情報
  • 意味・条件・例外の変化
  • 主張や評価の強さの変化
  • 数値、日付、料金
  • 固有名詞
  • 引用
  • 不自然なキーワード追加

とくに注意したいのが、条件や例外の消失です。「〇〇の場合を除き」「原則として」といった限定表現は文章を短くする過程で落ちやすく、その結果、元記事より断定的な内容に変わってしまうことがあります。

5. 人が修正・ファクトチェックして完成させる

AI出力は完成原稿ではなく、編集素材として扱います。

人が確認するのは次の項目です。

  • 数値、日付、料金
  • 法律・制度
  • 商品・サービスの仕様
  • 引用
  • 固有名詞

必要に応じて公式情報・一次情報へ戻り、最終的な採否、表現、公開可否を判断します。

情報を更新するリライトでは、次の順序を推奨します。

調査 → 根拠確認 → リライト

ファクトチェックと文章のリライトを分け、確認済みの根拠を渡してから書き直させる流れです。根拠を渡さずに「最新情報に更新して」と依頼すると、AIが推測で数値や日付を埋めてしまうことがあります。

Web検索に対応したAIの利用を否定するものではありませんが、AIにWeb調査も依頼する場合は、提示された情報源、とくに数値・料金・制度・サービス仕様について、人が一次情報を確認してから反映します。

AIリライトで使えるプロンプト

AIリライトのプロンプト設計は3層で考える

ここでは、実務で使う基本プロンプトを1本紹介します。用途別に何十本も用意するより、1本を目的に応じて調整する方が、出力を比較しながら改善しやすくなります。

SEO記事をリライトするときの基本プロンプト

このプロンプトは3つの層で構成しています。

内容
AIへ渡す情報目的、対策KW、改善箇所、参考資料、前後の文脈、元原稿
AIへ渡す権限変更可、提案のみ、変更禁止、削除可否
AIから返してもらう情報修正文、変更理由、要確認事項

一般的なリライトプロンプトとの違いは2層目と3層目です。「何をしてよいか」だけでなく、「何を勝手に決めてはいけないか」と「判断できない内容をどう人へ戻すか」まで指定しています。

以下はそのままコピーして使えるサンプルです。ご自分の業務に合うように、試しながらカスタマイズしてみてください。

あなたは、SEO記事・オウンドメディア記事の編集経験がある編集者です。以下の条件に従って、指定した文章をリライトしてください。
【今回の目的】
{例:冗長な表現を整理し、内容を変えずに読みやすくする} 【対策キーワード】
{対策KW} 対策キーワードは、検索意図や記事テーマを理解するための参考情報です。
出現回数を増やすことを目的に、不自然に追加しないでください。 【改善したい箇所】
{今回のリライトで改善したい点} 【変更してよいこと】
・{例:冗長な表現の整理}
・{例:重複表現の削除}
・{例:分かりにくい文章の言い換え}
・{例:提示した根拠に基づく事実情報の更新} 【変更せず、必要であれば提案だけしてほしいこと】
・{例:H2・H3などの見出し構成}
・{例:大幅な加筆}
・{例:記事の結論や評価の変更}
・{例:根拠確認が必要な事実情報の更新} 変更した方がよいと判断した場合でも本文には反映せず、
「要確認事項」として理由とともに提示してください。 【変更しないこと】
・{例:引用文}
・{例:クライアントから指定されている表現}
・{例:今回変更しないと決めている内容} 【事実情報の扱い】
数値、料金、日付、固有名詞、商品・サービス仕様、制度など、
根拠となる情報が提示されていない事実情報は推測で変更・追加しないでください。 修正が必要と思われる場合は、勝手に補完せず、
「要確認事項」として提示してください。 【参考資料・根拠】
{必要な場合のみ、公式情報・一次情報・確認済み資料などを記載} 参考資料がある場合は、その内容の範囲内で事実情報を修正してください。
参考資料にない内容を推測して補完しないでください。 URL先の内容を確認できない場合は、
確認できないことを明示し、推測で内容を補わないでください。 【トンマナ・表記ルール】
・です・ます調
・{既存記事で守る表記ルール}
・指示がない限り、元原稿の結論・主張・評価・ニュアンスを変えない
・SEOを理由にキーワードを不自然に追加しない
・元原稿にない事実を推測して追加しない 【前後の文脈・参考情報】
{必要に応じて前後の見出しや文章を記載} この部分は文脈を理解するための参考情報です。
リライト対象には含めないでください。 また、前後の文脈に含まれる情報についても、
明示的に加筆を許可していない限り、
リライト対象へ新しい情報として追加しないでください。 【リライト対象】
以下の文章だけをリライトしてください。 ---ここから---
{元原稿}
---ここまで--- 【情報の削除について】
意味・条件・例外・具体的な主張を保ったまま文章を整理してください。 【変更してよいこと】で削除を許可している内容を除き、
単に文章を短くするためだけに、元原稿の情報を削除しないでください。 内容を削除した方がよいと判断した場合は、
本文から勝手に削除せず「要確認事項」として提示してください。 【出力形式】 修正文
リライト後の文章を提示してください。 変更理由
意味・構成・情報量・表現に影響する主な変更について、
「何を」「なぜ」変更したのかを簡潔に示してください。 細かな言い換えや語尾変更をすべて列挙する必要はありません。 情報・主張・条件・例外など、
文章の意味や情報量に影響する追加・削除を行った場合は
必ず明記してください。 要確認事項 以下の2種類に分けて提示してください。 ・提案のみ
構成変更、大幅な加筆、主張変更など、
人による採否判断が必要だと考えた内容 ・事実確認
数値、料金、日付、固有名詞、制度、商品・サービス仕様など、
根拠となる情報による確認が必要な内容 該当するものがなければ「なし」としてください。
判断できない内容を推測して補完しないでください。

意図している点を補足します。

入力欄について

  • 参考資料・根拠:確認済みの根拠を渡して、事実情報の更新を依頼するための欄です。URLだけではAIが参照できない場合があるため、必要に応じて該当箇所の記述や要点も渡します
  • 対策キーワード:検索意図と記事テーマを理解させるための参考情報です。出現回数を増やさせるものではありません
  • 前後の文脈:接続の不自然さや重複を防ぐための情報です。対象箇所へ書き足すための情報源ではありません

この区別を明示しないと、参考として渡した内容が本文に紛れ込みます。

削除の扱いについて

文章を短くする指示は、条件や例外を削る方向に働きます。意味・条件・例外・具体的な主張を保ったまま整理させ、削除が必要だと判断した場合は要確認事項へ回させます。

出力形式について

語尾の変更まで全て報告させると、確認すべき変更が埋もれてしまいます。意味や情報量に影響する変更だけを報告させることで、差分確認の負担が下がります。

要確認事項を2種類に分けているのは、対応する作業が違うためです。

  • 提案のみ:人が採否を判断する
  • 事実確認:根拠を確認する

AIが判断できない内容を、推測で埋めずに人へ返す出口としても機能します。

リライト目的に応じてプロンプトを調整する

このプロンプトは、目的に応じて入力欄と権限を差し替えて使います。

リライト目的主に差し替える欄
冗長表現の整理目的、変更してよいこと(削除の範囲を明示)
説明不足の改善目的、改善したい箇所、変更してよいこと
トンマナ調整トンマナ・表記ルール、変更してよいこと
不足観点の抽出目的、提案だけしてほしいこと(本文へ反映させない)
確認済み根拠に基づく情報更新参考資料・根拠、変更してよいこと

「不足観点の抽出」では、変更可の範囲を狭くし、提案のみへ寄せるのがポイントです。加筆を許可した状態で観点の抽出を依頼すると、AIがそのまま本文へ書き足してしまいます。

なお、このプロンプトへペルソナ設定、E-E-A-T、共起語、目標文字数、競合記事の情報などを追加していくと、リライト用の指示ではなく記事生成用の指示に変わります。目的が変わるため、追加は避けてください。

AIリライトで品質を落とさないために実務で気をつけていること

ここでは、手順そのものではなく、事故を防ぐための判断を整理します。

AIに「いい感じにリライトして」と丸投げしない

AIが進化したので、ゴールだけ示せばよい。そうした話も見聞きします。しかしリライトに関しては、やはり指示が必要だと思います。

曖昧な指示を出すと、AIは「改善」の意味を独自に解釈するからです。たとえば、次のように分かれます。

  • 読みやすくすることだと解釈すれば、文章を短くする
  • SEOの改善だと解釈すれば、キーワードを足す
  • 内容を充実させることだと解釈すれば、加筆する

どれも指示していないのに実行されます。だからこそ、目的、変更範囲、変更権限、禁止事項を先に指定します。

AIにSEO改善を任せすぎて元記事の主張や意図を変えない

SEOの改善を強く指示すると、次のような変化が起きやすくなります。

  • 不自然なキーワード追加
  • 過剰な加筆
  • 上位記事への過度な追従
  • 元の主張や評価の変化
  • 必要以上に強い断定

とくに注意したいのが下の2つです。上位記事に合わせようとするうちに、元記事が慎重に書いていた部分が言い切りに変わっている。これは見落としやすいところだと思います。

主張が変わると、記事が読者に返す答えそのものが変わります。以前の記事を読んで判断した人と、リライト後に読んだ人で、受け取る結論が違ってしまう。過去に発信した内容や、社内・クライアントの見解ともずれていきます。

SEO上追加した方がよさそうな内容が見つかった場合も、そのままAIに採用させません。記事の役割、元記事の主張、クライアントの意図を踏まえて人が判断します。

数値や固有名詞などの事実情報をAI任せにしない

事実情報をAIに一切触らせない、という運用ではありません。根拠のない変更や補完をさせない、という運用です。

根拠を提示していない状態で「情報を更新して」と依頼すると、それらしい数値や日付が入ることがあります。

逆に、公式情報などの根拠を渡し、その範囲で更新を許可すれば、事実情報の更新もAIに任せられます。根拠がない場合は、勝手に埋めさせず「要確認事項」として返させます。

機密情報・個人情報・未公開情報をそのまま入力しない

AIに入力してはいけない情報は、次の順序で判断します。

  1. 企業・クライアント等のAI利用ルールを確認する
  2. 入力可能な範囲を判断する
  3. 必要に応じて不要な情報を削除し、匿名化・マスキングする

注意したいのは、匿名化すれば何でも入力してよいわけではない点です。

次のような情報は、匿名化の可否そのものを確認する必要があります。

  • 社名、人名、顧客名
  • 未公開情報
  • NDAの対象となる情報

判断のときは、すでにWeb上へ公開されている情報かどうかも基準に加えるとよいでしょう。公開済みの情報と、社内にしかない情報とでは、扱いが変わってきます。

また、入力上限やデータの取り扱い条件は、利用しているサービスや契約プランによって異なります。規約と設定を確認してください。

AIリライト後の確認チェックリスト

リライト後の確認は、次の10項目を目安にします。ステップ4で挙げた項目を、公開前に通しで確認できる形にまとめたものです。保存して毎回使うことを想定しています。

確認項目チェック内容
構成意図しない見出しの追加・削除・移動はないか
主張結論、評価、断定の強さが変わっていないか
加筆元原稿にない事実が追加されていないか
削除条件、例外、具体的な主張が失われていないか
数値数字、料金、日付が変更されていないか
固有名詞商品名、企業名、制度名などに誤りがないか
引用引用文や出典が改変されていないか
SEO不自然なKW追加や過剰最適化がないか
トンマナ語尾、用語、言葉遣いが変わっていないか
文章冗長さや同じ説明の繰り返しが増えていないか

上から順に、影響が大きい項目を並べています。時間が取れないときも、上4つ(構成・主張・加筆・削除)は外さないことをおすすめします。

AIリライトが向いている作業・向いていない作業

作業単位で見ると、AIに任せやすいものと人が主体になった方がよいものは、次のように分かれます。

AIに任せやすい人が主体になった方がよい
冗長表現の整理SEO戦略
言い回し案検索意図の最終判断
文章の短縮構成変更の採否
情報整理事実の確定
トンマナ調整商品・サービス評価
不足観点の候補出し独自体験・取材内容
文章案クライアント意図・公開判断

左側は、判断の材料が原稿の中で完結している作業です。

右側は、原稿の外にある情報がないと決められない作業です。事業の状況、読者、クライアントの意図、実際に見聞きした事実などですね。

この線引きが、そのまま「変更可」と「提案のみ」の分け方につながります。

AIでリライトした記事はSEOで不利になる?

結論から言うと、AIを使ったこと自体が問題になるわけではありません。不利にはなりません。

Googleの公式情報から確認します。

Googleは生成AIの利用自体を一律に禁止していない

Googleは、生成AIがトピックを調べる際やオリジナルコンテンツに構造を与える際にとくに役立ち得ると説明し、あわせて、コンテンツを自動生成する場合はとくに正確性・品質・関連性を重視するよう案内しています。(参照:Google Search’s guidance on using generative AI content|Google Search Central)https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/using-gen-ai-content

AIの利用そのものを禁止する記述はありません。ただし、AIを使ったという事実だけでSEO上の評価が決まるわけでもなく、「AIリライトはSEO上まったく問題ない」といった保証もGoogleは示していません。

検索順位操作を目的に価値の乏しいコンテンツを大量生成しない

Googleが問題としているのは、作成方法そのものではなく目的と結果です。

スパムポリシーでは、scaled content abuse(大規模なコンテンツの不正利用)を、主に検索順位を操作する目的で多数のページが生成され、ユーザーの役に立っていない状態として説明しています。ユーザーに価値を加えずに生成AIなどのツールで多数のページを作る行為も、その例として挙げられています。

同ポリシーでは、keyword stuffing(キーワードの乱用)も、検索結果の順位を操作しようとしてページをキーワードや数字で埋める行為として説明されています。単に使用回数が多いことではなく、順位操作を目的とした不自然な詰め込みが対象です。(参照:Spam policies for Google web search|Google Search Central)https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies

これらは「AIで書いた記事はすべてスパム」という意味ではありません。確認すべきなのは次の点です。

  • 検索順位の操作を目的とした大量生成になっていないか
  • 読者にとって価値のある内容になっているか
  • 正確で、その記事固有の内容になっているか

この記事で紹介した「不自然なキーワード追加をさせない」「根拠のない事実を追加させない」「元記事の主張を保つ」という指定は、そのままこの確認に対応します。

AIリライトについてよくある質問

プロンプトどおりにリライトしてくれないときはどうすればよいですか?

指示を一度に詰め込みすぎている可能性があります。次の順序で調整してみてください。

  1. 対象範囲を狭める(H2単位からH3単位へ、など)
  2. 変更してよいことと、提案だけしてほしいことを分けて再提示する
  3. 守られなかった項目を「要確認事項」として返させる

それでも意図と違う出力が続く場合は、AIへの指示の問題ではなく、そもそも人が判断すべき内容である可能性があります。指示の書き方を調整し続けるより、その部分を自分で書いた方が早いこともあります。

記事全文を一度にAIへ入力しても大丈夫ですか?

大丈夫かどうかは、文字数ではなく「差分を追えるかどうか」で決まります。

全文を渡しても、変更点を最後まで確認できるなら問題ありません。追いきれないと感じたら、H2単位、H3単位、数段落単位へ区切ります。

あわせて、利用しているAIサービスの入力上限や、データの取り扱い条件も確認しておきます。

AIリライトした文章はそのまま公開できますか?

原則として、人による確認を挟みます。

少なくとも、次の5点を確認してから公開してください。

  • 元原稿との差分
  • 事実情報
  • 記事の主張
  • トンマナ
  • 検索意図との整合

AIの出力は、読みやすく整っていても、確認していない情報や変わってしまった主張を含んでいることがあります。

まとめ|AIリライトは文章生成より「判断と確認」が重要

この記事で紹介した流れを振り返ります。

何を直すか判断する
→ 「変更可・提案のみ・変更禁止」を決める
→ 元原稿を比較・復元できる状態にする
→ AIへ条件を伝える
→ 改善箇所に応じてリライトする
→ 差分と事実を確認する
→ 人が完成稿を確定する

紹介した基本プロンプトも、この流れを1つの指示にまとめたものです。「変更してよいこと」「提案だけしてほしいこと」「変更しないこと」を分けて渡し、AIが判断できない内容は要確認事項として人へ返させます。

AIに文章を書かせることより、次の3つを人が判断することが、SEO記事のAIリライトでは重要です。

  • 何を直すか
  • どこまでAIに任せるか
  • 出力を採用してよいか

まずは1記事、範囲を区切って試してみてください。

参考資料・出典一覧

いずれも2026年9月4日に内容を確認しています。スパムポリシーの最終更新は2026年8月28日、生成AIコンテンツのガイダンスの最終更新は2025年12月10日です。

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