オウンドメディアの記事制作を進める8つの手順!記事の書き方のコツも解説

オウンドメディアの記事制作の手順を整理する女性

「オウンドメディアの記事制作を任されたけれど、何から手をつければいい?」
「キーワードや構成は、どうやって決めればいいの?」
「書いた記事が、読者の役に立っているのか分からない」

といった迷いのある担当者の方も多いのではないでしょうか。

オウンドメディアの記事制作とは、自社で運営するメディアに掲載する記事を企画し、構成・執筆・確認・公開まで進めることです。進め方の基本は、読者と目的を決め、検索需要と読者の疑問を確認したうえで、情報収集、構成、執筆、確認、公開へと進めることです。

本記事では、オウンドメディアの記事制作を8つの手順に分け、各手順で何を決め、どうなったら次へ進めるかを解説します。後半では、読者に伝わる記事の書き方のコツや、内製・外注の考え方もお伝えできたらと思います。

もちろん、ここで紹介する8つの手順は進め方の一例です。主に検索から読まれる解説記事を想定していますので、ご自身のメディアの体制や記事の種類に合わせて調整するつもりで、読んでいただけたらと思います。

目次

オウンドメディアの記事制作を進める8つの手順

記事制作には細かな作業が多く、何から始めればよいか分かりにくいものです。

まずは全体の流れをつかみ、各手順で「何を決め、どうなったら次へ進めるか」を確かめながら進めると、作業の抜けや手戻りを減らしやすくなります。8つの手順の全体像は、表1のとおりです。

表1 オウンドメディアの記事制作を進める8つの手順

工程主な作業次に進める状態
1.目的と読者を決める読者・疑問・記事の役割、担当と公開予定を決める誰のどの疑問に答えるかを短い文で説明できる
2.キーワードを選ぶ候補を探し、需要と事業との関連を確かめる主キーワードと選んだ理由が決まっている
3.検索意図と競合・既存記事を確認する上位記事の本文と自社の既存記事を読む答える疑問と扱わない範囲を整理できている
4.情報を集め、構成案を作る根拠を集め、見出しごとに要点を書き、確認者とすり合わせる各見出しで答える内容と根拠の確認先が決まっている
5.本文を書く構成案に沿って初稿を書く主な疑問への回答が本文になり、未確認箇所が分かる
6.内容をチェックする内容・事実・表現・公開可否を確認する公開に影響する誤りと重要な未確認事項が解消している
7.入稿・公開する画像・リンク・説明文を整え、承認後に公開する公開ページの表示とリンクを確認できている
8.公開後に改善する記事の役割に合う反応を見て、改善点を整理する次に確認する時期と見る指標が決まっている
記事制作の8つの手順と、必要に応じてキーワード選定や情報収集・構成へ戻って見直す流れ
記事制作の8つの手順と、前の工程を見直す場面の例

なお、この8つの手順と次に進める状態は、本記事で説明のために整理したものです。Googleが決めた制作工程ではありません。

また、取材記事や導入事例では、取材の調整、内容の確認、掲載の許可といった工程が加わります。すべての記事がキーワード選びから始まるわけではありませんので、記事の種類に合わせて手順を足したり省いたりしてください。

1.記事の目的と読者を決める

最初に、誰が読む記事で、その人がどんな疑問を持ち、読み終えたあとに何を分かってほしいかを決めます。

例えば、「初めて社内会議の議事録を任された人が、何を記録すればよいか判断できるようにする」のように、一文にしてみます。ここまで具体的にしておくと、後の手順で入れる情報と削る情報を決めやすくなります。

あわせて、記事が担う役割も整理します。テーマを知ってもらう認知の記事、内容を理解してもらう記事、サービスを比べている人の判断を助ける比較検討の記事など、役割によって読者に案内する次の行動は変わります。最初から、すべての記事のゴールを問い合わせにそろえる必要はありません。

制作を始める前に、執筆の担当者、確認する人、公開予定日も決めておきましょう。兼務の体制では、執筆者と確認者が同じ人になることもあります。人数を増やす必要はありませんが、誰が何を確認するのかは曖昧にしないようにしておきます。予定を立てるときは、書く時間だけでなく、確認を待つ時間や修正の時間も見込んでおくと安心です。

次へ進む目安:誰のどの疑問に答え、読後に何を理解・判断・実行できるようにするかを、短い文章で説明できる状態です。

2.検索需要と事業との関連性からキーワードを選ぶ

オウンドメディアのキーワード選びは、候補を「探す」作業と、その中から「選ぶ」作業に分けると進めやすくなります。

候補を探す材料には、例えば次のようなものがあります。

  • 顧客や営業担当者がよく受ける質問
  • 検索候補(サジェスト)や関連キーワード
  • 競合記事が扱っているテーマ
  • 自社の商品・サービスまわりで、詳しく説明できるテーマ

候補が集まったら、検索需要を確認します。検索ボリューム(そのキーワードが月にどのくらい検索されているかの目安)は、需要を考える材料の一つです。例えばラッコキーワードでは、キーワードのGoogleでの月間検索数を調べることが可能ですが、月間検索数の取得は有料プランの機能です。使える範囲や条件はプランによって異なるため、利用前に公式の料金プランや案内をご確認ください。(参照:料金プラン|ラッコキーワード)(参照:一括キーワード調査(月間検索数・SEO難易度など)の使い方|ラッコキーワード)

候補を選ぶときは、検索需要だけで決めず、次の点もあわせて確認します。

  • 自社の事業やサービスと関係があるか
  • 競合の記事が、その疑問にどこまで答えているか
  • 自社が具体的な答えや根拠を用意できるか

検索数が多い順に選ぶ必要はありません。検索数が小さくても、相談や比較の直前に調べられる疑問であれば、候補になり得ます。また、ツールで数値が表示されないからといって、需要がないとは限りません。検索数を記事や資料に載せる場合は、取得日、対象地域、集計期間、情報源を添え、ツールが示す目安の値であることを書き添えておきましょう。

次へ進む目安:主キーワードと選んだ理由が決まり、読者の疑問や事業との関係を説明できる状態です。

3.検索意図と競合・既存記事を確認する

検索意図とは、そのキーワードで検索した人が知りたいことや、解決したいことです。

確認するときは、検索結果に並ぶタイトルだけで判断しないようにしましょう。1ページ目の通常の検索結果にある記事を実際に開き、見出しと本文を読んで、共通して答えている疑問や説明を把握します。広告や、AIによる概要などの表示は、通常の検索結果とは分けて見ておきます。

競合記事の見出しを、すべて取り込む必要はありません。並べて読むと、読者に欠かせない答えと、記事を長くしているだけの情報が見えてきます。そのうえで、自分が想定した読者に必要な答えを選びます。

あわせて、自社の既存記事も確認します。似たテーマの記事があれば、既存記事の更新で足りるのか、新しく書くならどんな役割を持たせるのかを決めます。確認の結果、キーワードや記事の範囲が合わないと分かったら、手順2に戻って見直すことも大切です。既存記事の役割や重なりを一覧で整理する方法は、コンテンツマップの作り方と具体例で解説しています。

次へ進む目安:答えるべき主な疑問、今回扱わない範囲、既存記事との役割分担が整理できた状態です。

4.必要な情報を集め、構成案を作る

オウンドメディアの記事の構成案は、見出しを並べるだけでなく、見出しごとに「何に答えるか」まで決めておくと、執筆を進めやすくなります。

情報は、公式情報などの一次資料、社内で公開できる資料、担当者への確認などから集めます。読者が理解しやすい順に見出しを並べたら、見出しごとに要点、根拠、具体例、必要な関連記事を書き込みます。

記入例を一つ紹介します。説明用の架空の例です。

議事録の読者の疑問から、見出し、伝える要点と確認する情報を決める構成例
読者の疑問に合わせて、見出しと書く内容を決める例(説明用の架空例)

表2 構成案の記入例(テーマ:社内会議の議事録の書き方)

項目記入例
読者の疑問何を記録すれば、会議後に担当者が動けるのか
見出し例決定事項と担当者・期限を分けて記録する
伝える要点発言をそのまま残すだけでなく、決まったことと次の行動を見分けられるようにする
必要な根拠・確認自社の会議の進め方や、公開できる様式を確認する。一般的な必須の書式とは書かない
具体例架空の会議を使い、「決定事項/担当者/期限」の記入例を示す
この見出しを置く理由初めての人が、会議後に何を残すかを判断できるようにするため。ツールの比較ではこの疑問に直接答えられないので、先に記録する内容を示す

最後の「この見出しを置く理由」を書いておくと、見出しが読者の疑問から外れていないかを確かめやすくなります。

本文を書き始める前に、確認する人と構成の範囲や要点をすり合わせておきましょう。原稿ができてから方向性の違いに気づくと、書き直しの手間が大きくなるためです。社内情報や顧客事例を使う場合は、情報を提供してくれた人に内容を確認し、公開してよい範囲と掲載の許可もこの段階で確かめておきます。

公開予定日から逆算して、執筆の時間だけでなく、確認待ち、修正、入稿の時間も確保しておくと安心です。必要な日数は記事の内容や体制によって変わるため、一律に決める必要はありません。

次へ進む目安:見出しだけでなく、各見出しで答える内容と根拠の確認先が決まり、執筆できる状態です。重要な根拠が足りなければ、情報収集に戻ります。

5.構成案に沿って本文を書く

構成案ができたら、見出しが答える疑問に沿って初稿を書きます。

基本は、答え、理由や根拠、具体例を、読者に必要な順に置くことです。PREP法(結論、理由、具体例、結論の順に伝える文章の型)のような型も役立ちますが、すべての段落を同じ型にそろえる必要はありません。書き方のコツに関しては、後述します。

書き進めるうちに、説明に必要な情報が足りないと気づくこともあります。その場合は、無理に埋めずに調査や構成に戻りましょう。構成案の欄を埋めることにこだわる必要はありません。まだ確認できていない箇所は、制作メモなどに残し、どこが未確認かを分かるようにしておきます。

生成AIで下書きや要約を作る場合も、出力内容の事実確認と、著作権などの権利への配慮が必要です。Googleも、AIで生成したコンテンツは、公開前に手作業でファクトチェックを行い、正確性と信頼性を確認することが大切だと説明しています。(参照:ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス|Google 検索セントラル)社外秘の情報や個人情報を入力しないといった運用のルールも決めておきましょう。なお、AIを使ったかどうかだけで、記事の品質や検索順位が決まるわけではありません。

次へ進む目安:主な疑問への回答が本文になり、未確認の箇所を判別できる初稿ができた状態です。この時点では、まだ公開できる原稿とは考えません。

6.内容・事実関係・表現をチェックする

初稿ができたら、誤字脱字や文体だけでなく、内容と事実関係まで確認します。

確認する観点は、例えば次のとおりです。

  • 内容:検索意図に答えているか、説明の順序に無理がないか、論理の飛躍や矛盾、情報の不足や重複がないか
  • 事実関係:数字、日付、対象、条件、例外が、一次資料や出典の内容と合っているか
  • 表現:誤字脱字や表記の揺れがないか、言い切りすぎていないか
  • 公開可否:社内情報が正確で公開してよいものか、顧客事例などの掲載許可を得ているか
  • 実用性:読者が自分の状況に当てはめ、判断・実行できるか

社内情報や事例は、内容が正しくても、公開の許可がなければ掲載しません。誰が事実を確認し、誰が表現を確認し、誰が公開してよいかを判断するのかを、あらかじめ決めておきましょう。

担当者が一人の場合は、SEO、編集、ファクトチェックの観点を分け、読み直す回を変える方法もあります。例えば私は、過度な断定表現や事実関係、内容の矛盾をAIで点検し、違和感が残る箇所は資料に戻って自分で確認しています。AIから指摘がなくても、数値・日付・制度・適用条件など、読者の判断に関わる事実は、一次資料や出典と照合しましょう。

ただ、自分で観点を分けて読むことと、別の人が独立して確認することは同じではありません。Googleも、コンテンツの自己評価に加えて、サイトと無関係な信頼できる第三者に率直に評価してもらうことも検討するよう勧めています。(参照:有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成|Google 検索セントラル)

次へ進む目安:公開に影響する誤りと重要な未確認事項が解消され、必要な承認を得られる状態です。重要な未確認事項をメモに残しただけでは、公開できる状態とはいえません。

7.画像やリンクを整え、入稿・公開する

原稿が確定したら、公開に向けて記事を整えます。主に確認するのは、次の4点です。

  • 図表・画像:理解を助ける箇所に用意し、権利や掲載許可を確認する。情報を伝える画像には、内容や役割に合った代替テキスト(alt)を設定し、装飾だけの画像はaltを空にする
  • タイトルと見出し:本文の内容と一致しているか、見出しの階層が整っているか
  • メタディスクリプション:ページの内容を要約した説明文を設定する
  • 内部リンク・案内先:関連する記事やサービスページへの案内が、文脈に合っているか

装飾だけの画像でも、alt属性そのものは省略せず、空の値にしておきます。属性がないと、画面の読み上げソフトが画像のファイル名を読み上げてしまう場合があるためです。(参照:Decorative Images|W3C Web Accessibility Initiative)

メタディスクリプションは、検索結果に表示される説明文(スニペット)に使われることがあります。ただ、Googleはスニペットを主にページの内容から自動で作成しており、メタディスクリプションのほうがページを正確に説明できる場合に使うことがある、と説明しています。設定すれば必ず表示されるものではありません。(参照:検索結果のスニペットを管理する|Google 検索セントラル)

内部リンクは、新しい記事から関連記事へ設けるだけでなく、関連する既存記事から新しい記事へ案内できる箇所も検討します。Googleは、大切なページにはサイト内の少なくとも1つの他のページからリンクがあることを勧める一方で、1ページあたりのリンク数に理想の数はないとも説明しています。数を増やすことより、読者が次に知りたい情報へ進める文脈かどうかで判断しましょう。(参照:Google のリンクに関するベスト プラクティス|Google 検索セントラル)

公開は、確認と承認が済んでから行います。誰が最終的に承認し、誰が公開作業をするのかも、事前に決めておきましょう。公開後は実際のページをパソコンだけでなくスマートフォンでも開き、表示崩れ、画像、リンク先を確認します。

次へ進む目安:承認した内容が公開ページに反映され、リンク切れや表示の問題がないことを確認できた状態です。原稿が完成した時点と、公開が完了した時点は分けて管理します。

8.公開後の反応を確認し、改善する

記事は公開後も、役割に合った反応を確認し、改善につなげていきます。

見る指標は、記事の役割によって変わります。例えば、検索での表示回数やクリック数、記事への流入、関連記事やサービスページへの移動、問い合わせなどです。Search Consoleでは、Google検索での表示回数やクリック数、検索語句などを確認できます。GA4(Googleアナリティクス4)では、サイト内での行動を確認します。なお、Search Consoleのクリック数と、GA4で見るGoogleの自然検索(広告以外の検索結果)からのセッション数は、定義や計測の仕組みが異なるため、完全には一致しません。(参照:検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定|Search Console ヘルプ)(参照:Search Console と Google アナリティクスのデータを SEO に使用する|Google 検索セントラル)

また、GA4は導入するだけで、記事からサービスページへの移動や問い合わせの完了まで、すべてが自動で記録されるわけではありません。例えば、GA4の拡張計測機能で自動記録されるリンクのクリックは、別のドメインへ移動するリンクが対象です。必要に応じてイベントなどを設定し、意図した行動が記録されているかを確認しておきましょう。(参照:拡張計測機能イベント|アナリティクス ヘルプ)

数字を眺めるだけで終わらせず、状況ごとに先に確認することを決めておくと、次の行動に移りやすくなります。

表3 公開後に確認することの例

状況先に確認すること
検索での表示が少ない公開からの期間、インデックスに登録されているか、検索需要、記事が答える疑問とキーワードが合っているか
表示されるが、クリックが少ない表示されている検索語句と掲載順位、検索結果に表示されるタイトルや説明文と記事の内容が合っているか
記事への流入はあるが、想定した次の行動が少ない記事の役割に合った案内か、答えや判断材料が足りているか、計測が正しく設定されているか

表3は確認の進め方の一例です。数字だけで原因を決めつけず、確認してから直す箇所を決めましょう。

公開直後の少ないデータで、記事の良し悪しを決めないことも大切です。Googleも、変更が検索結果に反映されるまでには、数時間で済むこともあれば数か月かかることもあると説明しています。(参照:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド|Google 検索セントラル)比べるときは、期間の長さ、季節による変動、計測の条件をそろえます。また、滞在時間の長さだけで、読者が疑問を解決できたかどうかは判断できません。

改善は、一度で終わるものではありません。改善したい記事が複数ある場合の選び方は、リライトの優先順位を決める方法も参考にしてみてください。

次へ進む目安:次に確認する時期と見る指標が決まり、点検したときに、直す箇所とその理由、または様子を見る理由を整理できる状態です。

まずは、いま手がけている記事が8つの手順のどこにあるかを確認し、次へ進む目安を満たしているかを見てみてください。

オウンドメディアの記事の書き方とコツ

手順が分かっても、実際にどう書けば読者に伝わるのかは、迷うところです。

記事の書き方の要点は、読者の疑問への答えと、その根拠、具体例を分かりやすく示すことです。読者が「答えが見つかる」「納得できる」「自分に当てはめられる」「行動できる」と感じられるかを意識すると、原稿のどこを直せばよいかが見えやすくなります。前述のGoogleの自己評価の質問にも、読み終えた読者が目的を果たすのに十分な情報を得たと感じられるか、という項目があります。

答えが見つかる、納得できる、自分に当てはめる、次の行動が分かる、の4視点と記事の書き方の対応
読者が理解し、次の行動を判断できる記事にするための確認視点

タイトルと導入文で、何が分かる記事かを伝える

タイトルには、扱うテーマと読者の疑問が分かる言葉を入れます。例えば本記事では、「オウンドメディアの記事制作」というテーマと、「手順」「記事の書き方」という知りたいことをタイトルに入れています。

導入文では、読者の迷いに短く寄り添ったあと、記事で分かることや答えの方向性を示します。共感の文が長く続くと、答えにたどり着くまでに時間がかかってしまいます。

また、本文で扱わない効果や、大げさな成果をタイトルに載せないようにしましょう。Googleの自己評価の質問にも、見出しやページタイトルが内容を誇張していないかという項目があります。

読者の疑問に対する答えを先に示す

用語の説明なら「〇〇とは、〜です」、比較なら違い、方法なら手順の要点を先に伝え、そのあとに理由や条件を続けます。

以下の改善例1〜3は、説明用の架空例です。

例1 答えを先にする

改善前:記事を作る際にはさまざまな作業があり、事前に検討することも多くあります。まず読者について考えることが重要です。

改善後:記事を書く前に、誰のどの疑問に答えるかを決めます。例えば「初めて議事録を作る人が、記録する項目を判断できるようにする」と具体化します。

改善前でも、読者について考える必要があることは伝わりますが、何を決めればよいかは曖昧です。改善後は、誰のどの疑問に答えるかを最初の一文で示し、具体例も添えています。

主語、対象、条件をはっきり書き、その段落だけを読んでも意味が通るようにすることもポイントです。ただし、条件によって答えが変わる場合は、条件と一緒に示します。分かりやすくするために例外を削ったり、すべての段落を同じ型にしたりする必要はありません。

AIによる検索を意識する場合も、考え方は同じです。読者にも検索システムにも内容が伝わりやすいよう、説明を明確にしておくことが大切です。Googleは、AIによる概要やAIモードについて、SEOのベストプラクティスが引き続き有効であり、表示されるための追加の要件や特別な最適化は必要ないと説明しています。(参照:AI 機能とウェブサイト|Google 検索セントラル)

「〇〇とは、〜です」の形で書けばAIに引用される、順位が上がる、というものではない点は、ご了承ください。また、これはGoogle検索のAI機能についての説明で、ほかの会社のAIサービスにもそのまま当てはまるとは限りません。

根拠や自社ならではの情報を添える

公式資料や一次情報で事実を確認し、そのうえで、自社が公開できる経験、事例、担当者の知見などを加えます。競合記事を言い換えただけの説明では、読者がほかの記事ではなく自社の記事を読む理由が生まれにくいものです。Googleの自己評価の質問にも、ほかの情報源を参考にする場合に、単なる書き換えではなく付加価値と独自性があるか、という項目があります。

公開できる独自の情報がない場合も、経験を作り出す必要はありません。例えば、判断の基準を具体的に示す、読者の状況に近い例を丁寧に用意するといった工夫でも、読者の役に立つ記事にすることは可能です。

書くときは、個人の実感と一般的な事実、期待できる効果と確認できた実績を分けて書きます。また、出典を付けたからといって、その資料に書かれていない因果関係まで言えるわけではありません。出典の内容と本文の主張が合っているかも確認しておきましょう。

具体例や判断基準を示し、実践できる内容にする

説明に納得できても、自分の状況に当てはめられなければ、読者は行動に移せません。抽象的な説明は読者の状況に近い例に置き換え、何を確認し、どう判断し、どこから始めればよいかを示します。

例2 具体的な次の行動を示す

改善前:公開後は、アクセス解析を活用して適切に改善しましょう。

改善後:公開後は、検索で表示されている語と記事の内容が合っているかを確認します。想定と異なる疑問で読まれている場合は、その疑問に答える必要があるか、記事の目的に照らして判断します。

改善前の「適切に改善」では、何を見ればよいかが伝わりません。改善後は、確認する対象と、そのあとの判断の仕方まで示しています。

チェックリストや手順を載せる場合は、本文の説明と対応させておきます。根拠のない点数付けや、誰にでも当てはまる正解を無理に作る必要はありません。

文章・段落・図表を整えて読みやすくする

一文に複数の論点を詰め込まず、段落ごとに内容をまとめます。専門用語には、初めて出てくるところで短い説明を添えます。

例3 一文の論点を分ける

改善前:記事の公開前には誤字脱字やリンク先を確認して画像の表示も見ながら内容に誤りがないか確認することが大切です。

改善後:公開前に、事実関係と誤字脱字を確認します。入稿後は、画像の表示とリンク先も点検します。

改善前は、確認することが一文に並び、何を確認するのかを拾いにくくなっています。改善後は、確認する内容を二文に分けたことで、点検する項目を把握しやすくなりました。

比較は表、手順や点検は箇条書きなど、内容に合った形を選びましょう。前述のSEOスターターガイドでも、長い文章は段落や章に分け、見出しを付けて全体を見通せるようにすることが勧められています。

なお、Googleは、特定の文字数を優先する設定はないと説明しています。文字数を満たすことを目的にせず、読者に必要な情報を過不足なく伝えましょう。

読者の状況に合う次の行動を案内する

記事の終わりや章の区切りでは、読者の状況に合った次の行動を案内します。例えば、自社の状況を確認する、選択肢を比較する、方法を試す、関連する記事を読むといった行動です。

支援を必要としている読者に、相談先を案内することもあります。ただ、すべての記事で問い合わせを求める必要はありません。記事の内容から自然につながる行動を選びましょう。

また、関連記事への移動、サービスページへの移動、問い合わせの完了は、それぞれ別の行動です。公開後に数字を見るときも、これらをひとまとめにして、売上や成約につながったと考えないようにしておきます。

まずは手元の記事を1本選び、答えが先に書かれているか、具体例と次の行動が示されているかを確認してみてください。

オウンドメディアの記事制作は内製・外注のどちらで進める?

自社だけで記事制作を進める時間や人手を確保できるか、迷う方も多いと思います。

オウンドメディアの記事制作を内製するか外注するかは、社内の知見、担当者が使える時間、執筆や確認を担える体制を見て選びます。どちらか一方に決める必要はありません。

例えば、企画と情報提供・内容の確認は社内で行い、執筆は外部に任せるなど、工程ごとに分担を組み合わせる方法もあります。社内に詳しい人はいるけれど書く時間がない場合は、執筆を任せる方法が合うかもしれません。反対に、書く時間はあっても構成や編集に慣れていない場合は、企画や構成から外部に相談する選択肢もあるでしょう。

ただ、外注しても、自社に関する情報の提供や、公開前の最終確認が不要になるわけではありません。外部に任せる工程が増えても、社内で確認する時間は残ると考えておきましょう。兼務で記事制作を回す体制づくりについては、中小企業のオウンドメディアの始め方で詳しく解説しています。

まずは8つの手順のうち、社内で担えそうな工程と、外部に任せたい工程を分けてみてください。

まとめ|制作手順と記事の書き方を押さえ、読者の課題解決につなげよう

記事制作は作業が多く、すべてを最初から完璧にこなそうとすると、負担が大きく感じられるものです。

オウンドメディアの記事制作は、読者と目的を決め、検索需要と読者の疑問を確かめたうえで、情報収集、構成、執筆、確認、公開、改善へと進めます。書くときは、読者の疑問への答えを先に示し、根拠と具体例を添えて、読者が自分の状況に当てはめられるようにすることが大切です。

記事の本数を増やすことを、先に目標にする必要はありません。まずは一つの記事について、読者の疑問とキーワード候補を整理し、構成案を作るところから始めてみてください。最初から完璧を目指さず、できるところから少しずつ進めていただけたらと思います。

参考資料・出典

いずれも2026年10月19日に内容を確認しています。

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この記事を書いた人

企業のオウンドメディアで、企画・構成・執筆・編集から、SEO改善、アクセス分析まで担当しています。HR・キャリア・介護領域を中心に、外部ライターの進行・品質管理にも携わっています。

「編集実務室」では、日々の運用で試したことや考えたことをもとに、記事制作、SEO・AI検索への対応、生成AIの活用について発信しています。ひとりでメディアを運営する方にも役立つよう、実務で使える考え方や進め方をまとめています。

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