SEO対策は意味ない?そう言われる理由と期待できる効果

SEO対策は意味ない?

「これからSEO対策を始めても、意味はあるのだろうか」
「今やっている対策や、外注先から受け取った提案は、本当に集客に役立つのだろうか」

といった迷いのある担当者の方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、SEO対策は今も集客に活用することが可能です。見込み客が使う検索語で上位に表示されれば、自社のページに訪れてもらったり、会社やサービスを知ってもらったりする機会が生まれます。

一方で、検索結果の画面だけで答えが分かり、上位に表示されても訪問につながらない場面はあります。情報を探す入口には生成AIやSNSもあるため、見込み客がどこで調べるかにも目を向ける必要があります。上位に出ることだけを目標にせず、読んだ人の役に立つ内容と、次の行動へ進むための導線まで考えることが大切です。

本記事では、SEO対策が「意味ない」と言われる6つの理由、今も期待できる4つの効果、避けたい5つの対策の例、集客につなげる5つの基本を解説します。これからSEOを始める方にも、すでに取り組んでいる方にも、自社で何を確かめればよいかをお伝えできたらと思います。

目次

SEO対策は意味がないのか

SEOに費用や時間をかける価値があるのか、迷う方は少なくないと思います。

SEO対策は今も集客に活用できます。見込み客が使う検索語で上位に表示されれば、自社のページへの流入や、会社・サービスを知ってもらう機会を得られます。

SEO(検索エンジン最適化)とは、検索エンジンがページの内容を理解できるようにし、検索する人がそのページを見つけて、訪れるかどうかを判断しやすくする取り組みです。Googleは、SEOをこのように説明しています。(参照:SEO Starter Guide|Google Search Central)

SEOというと記事を書くことを思い浮かべるかもしれませんが、それだけではありません。既存ページの内容を改善すること、検索エンジンがページにアクセスできる状態を保つこと、ページ同士のつながりを整理することなども含まれます。

また、SEOの成果を考えるときは、次の3つの段階を分けておくと整理しやすくなります。

  • 見つけてもらう:検索結果にページが表示される
  • 訪れてもらう:検索結果からページを開いてもらう
  • 行動してもらう:問い合わせや購入などに進んでもらう
検索結果への表示、ページへの訪問、問い合わせ・購入の3段階と、各段階で離脱が起こり得ることを示した図

検索結果に表示されても訪問されないことがあり、訪問されても問い合わせに進まないこともあります。どの段階で成果を期待するのか、そもそも自社の顧客が検索で情報を探しているのか、提供している内容と検索する人の疑問が合っているのか、という視点で考えるとよいでしょう。

なお、追加の施策や外注契約をやめたからといって、自然検索(広告枠以外の検索結果)からページが自動的に消えるわけではありません。ただし、ページの情報が古いままだったり、検索エンジンがアクセスできない状態になっていたりすると、見つけてもらう機会を逃してしまうおそれがあります。

広告との関係も押さえておきたいところです。Googleは、広告を出しても自然検索での表示には影響しないこと、検索順位1位を保証できる人はいないことを明言しています。(参照:Do you need an SEO?|Google Search Central)

「1位を保証します」という提案を受けた場合は、慎重に確認したほうがよいでしょう。

まずは、自社の見込み客がどんなときに検索で情報を探しているのか、思い浮かべてみてください。

SEO対策が「意味ない」「オワコン」と言われる6つの理由

SEOに価値があるなら、なぜ「意味ない」「オワコン」という声が出てくるのでしょうか。

その背景には、検索環境の変化や競争、成果が出るまでの負担や不確実さがあります。期待していた結果と実際の結果にずれが生じやすいため、疑問を持たれやすいのだと思います。ここでは、その6つの理由を解説します。

ゼロクリック検索で、上位表示が訪問につながらない場合がある

ゼロクリック検索とは、検索結果のリンクをクリックしないまま、その検索を終えたり、検索語を変えて検索し直したりすることです。(参照:2024 Zero-Click Search Study|SparkToro)

Googleの検索結果には、天気やスポーツの結果などを直接表示する機能、人物や場所などの情報をまとめたナレッジパネル、ページの内容の一部を目立つ形で示す強調スニペットなどがあります。(参照:How Search Works: Features|Google)

さらに、AIによる概要のように、生成AIが検索結果の画面で要点をまとめる機能もあります。(参照:Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する|Google 検索セントラル)

こうした機能によって、検索結果の画面だけで知りたいことが分かる場合があります。そのため、上位に表示されたのにアクセスが思ったほど増えない、と感じる方もいるでしょう。

ただし、ゼロクリック検索は、AIによる概要だけで起きるものではありません。天気の表示や強調スニペットなど、以前からある機能でも起こり得ます。また、クリックしなかった人がすべて満足しているとも限りません。先ほどの調査では、満足して検索を終えた人だけでなく、答えが見つからず諦めた人や、検索語を変えて検索し直した人も含まれるとしています。

一方で、比べたい情報や詳しい条件、具体的な事例などは、ページを開いて確かめたい人も多いものです。検索結果の画面で済む情報と、ページを読んで確認したい情報があることを知っておくと、上位表示への期待と実際のずれを理解しやすくなります。

ゼロクリック検索の表示形式や、影響を受けやすい記事の傾向については、ゼロクリック検索への向き合い方で詳しく解説しています。

生成AIやSNSでも情報を探せるようになった

情報を探し始める入口は、検索エンジンだけではなくなっています。

生成AIに質問して答えを得る人もいれば、SNSで投稿を検索したり、流れてくる投稿から情報を得たりする人もいます。例えば、あるサービスについて調べるときに、検索エンジンで比較記事を探す人もいれば、SNSで利用者の投稿を探す人もいるでしょう。

こうした選択肢が増えたことで、「検索エンジンで上位を目指すだけでよいのか」という疑問が生まれやすくなっています。どの手段が使われるかは、読者の立場や調べる目的によって変わります。自社の見込み客がどこで情報を探しているのかを確かめることが大切です。

なお、Googleは、AIによる概要やAIモードといったGoogle検索の生成AI機能に対しても、SEOのベストプラクティスは引き続き有効だと説明しています。AI向けの特別なファイルを新たに作る必要もないとしています。(参照:Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する|Google 検索セントラル)

ただし、これはGoogle検索についての説明です。ほかの生成AIサービスにそのまま当てはまるものではない点は、ご了承ください。

競合が強く、対策しても狙う順位に届かないことがある

記事を増やしたり、内容を手直ししたりすれば、いずれ上位に表示されると考えたいところです。

ただ、検索順位は自社の作業量だけで決まるものではありません。同じ検索語で、ほかのサイトがすでに読者の疑問に十分に答えている場合、似た内容のページを増やしても、狙う順位まで届かないことがあります。検索する人が求めている情報と、自社のページの内容が合っていない場合も同じです。

このようなときは、作業量を増やすより、自社だからこそ具体的に答えられる検討場面がないかを考えるほうが近道になるかもしれません。例えば、サービスを比べている人が迷いやすい条件や、自社に寄せられる質問などです。キーワードの選び方は、後述します。

成果が見えるまで時間がかかり、費用や工数が先に発生する

SEOでは、キーワードの調査や記事の制作、公開後の改善など、費用や社内の工数が先に発生します。一方で、成果が見えるまでには時間差があります。

Googleは、ページの変更が検索結果に反映されるまでに、数時間で済むものもあれば数か月かかるものもあると説明しています。また、効果があったかを評価するには、数週間ほど待つのがよいとしています。(参照:SEO Starter Guide|Google Search Central)

ここでいう時間は、検索結果への反映や評価までの話です。問い合わせや売上につながるまでには、さらに読者が検討する期間なども関わります。費用を払ってもすぐに成果が見えないため、「意味がないのでは」と感じやすいのでしょう。

取り組む前に、いつまでにどのような成果が必要なのか、確認や改善を続けるだけの時間や費用をかけられるのかを確かめておくと、途中で迷いにくくなります。

検索順位や流入が変動し、成果を維持できる保証がない

一度上位に表示されても、その順位がずっと続くとは限りません。

Googleは、検索流入が減る原因として、検索アルゴリズムの更新、技術的な問題、季節性や検索する人の関心の変化などを挙げています。順位は固定されたものではなく、小さな変動はいつでも起こり得るとも説明しています。また、アルゴリズムの更新で流入が減った場合でも、コンテンツに根本的な問題があるとは限らないとしています。(参照:Debugging drops in Google Search traffic|Google Search Central)

競合サイトがページを改善することもあります。そのため、ページを作って終わりにせず、確認と改善を続けることが必要になります。

一方で、流入が減った理由を、すべてGoogleのアップデートやAIのせいにするのも少々乱暴です。原因を調べる前に、施策が失敗した、SEOには意味がないと決めつけないようにしておきましょう。確認の方法は、後述します。

アクセスが増えても、問い合わせや売上につながるとは限らない

アクセスは増えたのに問い合わせが増えないと、SEOの効果を実感しにくいものです。

訪問と、問い合わせや購入は別の段階です。例えば、言葉の意味を調べるために記事を読んだ人が、そのままサービスに申し込むとは限りません。読者がどこまで検討を進めているか、自社のサービスがその人に合っているかなども関わります。

期待していた成果との関係が見えないと、アクセスが増えていても価値を感じにくくなります。その場合は、次のような点を確認してみるとよいでしょう。

  • 記事の読者と、サービスの対象となる顧客が合っているか
  • 料金や対応範囲など、サービスを判断するための情報が見つけやすいか
  • 問い合わせの方法が分かりやすいか
  • 検討期間が長く、すぐには問い合わせに至らないサービスではないか

成果が止まっている段階を切り分け、オウンドメディア全体を続けるか見直すかを考えたい場合は、オウンドメディアが意味ないと感じるときの見直し方も参考にしてみてください。

SEO対策で期待できる4つの効果

では、こうした背景があっても、SEOに取り組むことで何が得られるのでしょうか。

SEOで期待できる効果は、検索から見つけてもらうことが起点になります。そこから、見込み客との接点、比較・検討の後押し、継続的な集客の入口、認知と専門性の伝達という4つの効果につながります。具体的な取り組み方は、後述します。

商品・サービスを必要としている人と接点を持てる

検索する人の中には、課題の解決方法や依頼先を探している人もいます。見込み客が使う検索語で自社のページが上位に表示されれば、そうした人に見つけてもらう機会が生まれます。

Googleも、SEOは検索する人がサイトを見つけ、訪れるかどうかを判断する助けになると説明しています。(参照:SEO Starter Guide|Google Search Central)

検索からの接点は、自社の社名やサービス名をまだ知らない人にも届く可能性がある点が特徴です。ただし、そのためには、見込み客が使う検索語と、自社が提供している内容が合っている必要があります。また、検索から訪れた人が全員、すぐに購入や依頼を考えているわけではありません。

比較・検討している人の問い合わせや購入を後押しできる

複数のサービスを比べている人は、自分に合うかどうかを判断する材料を探しています。

例えば、料金、対応範囲、利用条件、実績などの情報があれば、読者は、そのサービスが自社の課題や条件に合うかを判断しやすくなります。そのうえで、関連するサービスの紹介ページや、問い合わせ・購入の方法へ進める導線があれば、次の行動に移りやすくなるでしょう。

もちろん、問い合わせや購入には、商品が合っているか、価格、信頼できるか、導入の時期なども関わります。ページを用意すれば成果が自動的に生まれるわけではありませんが、読者の比較・検討を助けられることは、SEOで期待できる効果の一つといえます。

公開したページが継続的な集客の入口になる

公開したページは、検索で見つけてもらえる限り、公開直後に限らず新しい読者を迎える入口になり得ます。

例えば、よく受ける質問に答える解説や、サービスの内容を説明するページを積み重ねていくと、さまざまな疑問を持つ人が検索から訪れる入口が増えていきます。

ただし、一度作れば放っておいても集客が続く、というわけではありません。検索する人の関心が変わることもあれば、情報が古くなることもあります。需要や内容を確認し、必要に応じて更新する手間はかかります。

会社やサービスの認知を広げ専門性を伝えられる

すぐに問い合わせにつながらなくても、検索で会社やサービスの存在を知ってもらうことには意味があります。

ページを読んだ人は、そこに書かれた知識や経験、実績、根拠から、その会社が何を得意とし、どんなことに対応できるのかを知ることができます。後日、依頼先を探すときに思い出してもらえることもあるでしょう。

ただし、検索結果に表示されることと、読者に信頼されることは別です。上位に表示されただけで専門性が認められるわけではありません。ページの内容を読んで「この会社は詳しい」と感じてもらえるかが大切です。

意味がない・逆効果になり得るSEO対策の例

SEOに取り組んでいても、作業の中身によっては成果につながりにくいことがあります。

とくに、読者の疑問を解消しない作業や、検索順位の操作を狙った作業には気をつけたいところです。ここで紹介する例のすべてが、Googleのポリシー違反や順位の低下につながるわけではありません。ただ、時間や費用をかける割に、得られるものが少なくなりやすい作業です。

表1 見直したい作業と、代わりに確かめること

見直したい作業代わりに確かめること
同じキーワードを不自然に繰り返す見出しと本文が内容を具体的に伝え、自然に読めるか
読者に不要な情報で文字数を増やす判断に必要な情報が不足していないか、重複を整理できないか
独自の価値がない記事を量産する既存ページと役割が重ならないか、その記事で何が新たに分かるか
順位操作のためにリンクを買う・増やす取得方法と目的は適切か、広告リンクは適切に扱われているか
対象読者や検索意図を確かめずに作る誰のどんな疑問に答え、自社の何の検討に役立つか

キーワードを不自然に詰め込む

同じキーワードを不自然に何度も繰り返したり、内容と関係のない語句を並べたりするやり方です。

キーワードを何度も入れても、説明が充実するわけではありません。文章が読みにくくなり、読者が必要な情報を探しにくくなります。また、Googleは、検索順位を操作する目的でページをキーワードで埋めることを「キーワードの乱用」とし、スパムポリシーの対象にしています。(参照:Spam policies for Google web search|Google Search Central)

もちろん、見出しや本文にキーワードを入れること自体は問題ありません。見出しと本文が読者の疑問に答えているかを確認し、必要な言葉は自然に使うようにしましょう。

読者に必要のない情報で文字数を増やす

競合の記事より長くするために、一般論や重複した説明を足していくやり方です。

不要な情報が増えると、読者は判断に必要な情報を探しにくくなります。Googleは、「Googleには好ましい文字数があると聞いて、特定の文字数に合わせて書いていないか」という確認項目を示したうえで、好ましい文字数はないと答えています。(参照:Creating helpful, reliable, people-first content|Google Search Central)

長い記事が悪いわけではありませんし、短いほうがSEOに強いわけでもありません。必要な条件や根拠、比較の観点が足りているかを確かめ、重複している説明は削る。そのうえで、必要な説明の量から長さを決めることが大切です。

独自の価値を加えず記事を量産する

記事の本数を増やすことを優先し、ほかの記事の言い換えや一般論だけのページを作り続けるやり方です。

ページの数と、読者の役に立つ内容は別のものです。Googleは、ほかの検索結果と比べて十分な価値があるか、独自の情報や調査、分析が含まれているかを確認するよう勧めています。(参照:Creating helpful, reliable, people-first content|Google Search Central)

また、検索順位の操作を主な目的として、利用者にほとんど価値のないページを大量に作ることは、作り方を問わず「大量生成されたコンテンツの不正使用」として、スパムポリシーの対象になります。(参照:Spam policies for Google web search|Google Search Central)

AIを使うことや、多くの記事を作ること自体が違反になるわけではありません。記事を作る前に、既存のページと役割が重ならないか、自社だからこそ答えられる問いは何か、確認できる事実や経験は何かを決めておきましょう。

AIで既存記事の修正案を作る場合の具体的な手順は、AIでリライトするときの具体的な進め方で解説しています。

順位操作を目的としたリンクを購入・量産する

検索順位を上げる目的でリンクを購入したり、自動化されたツールでリンクを作ったり、過剰に相互リンクをしたりするやり方です。

Googleは、検索順位の操作を主な目的としたリンクの作成を「リンクスパム」とし、ランキングを上げるためのリンクの売買、過剰な相互リンク、自動化されたプログラムによるリンクの作成などを例に挙げています。ポリシーに違反するサイトは、検索結果で順位が下がったり、表示されなくなったりする可能性があります。(参照:Spam policies for Google web search|Google Search Central)

一方で、広告やスポンサーとして掲載する有料のリンクは、rel=”sponsored” や rel=”nofollow” で指定されていれば違反にはならないと説明されています。リンクを得るときは、その目的と方法が適切か、広告のリンクが正しく指定されているかを確かめておきましょう。

対象読者や検索意図を確かめず記事を作る

検索回数が多い語や、業界に関係がありそうな語を、それだけの理由で選んで記事を作るやり方です。

誰が何を知りたくて検索しているのか(検索意図)と、その記事が自社の何の検討につながるのかがずれていると、期待する接点を得にくくなります。例えば、仮に法人向けの研修会社が、個人が独学の方法を探すときに使う検索語で記事を増やしているとします。アクセスは集まっても、研修を依頼する立場の人とは出会いにくいかもしれません。

地域、用途、顧客層、求められている答えなどがずれていないかを、商談でよく出る質問や問い合わせの内容、実際の検索結果に並ぶページの目的と照らし合わせて確かめておきましょう。

なお、アクセスを集めること自体が無意味なわけではありません。検索回数が少なくても、具体的な検討場面に合うテーマには役割があります。キーワードの選び方は、次の章で解説します。

5つの例のうち、自社の取り組みに当てはまるものがないか、表1と照らし合わせてみてください。

意味のあるSEO対策とは?集客につなげる5つの基本

では、何に取り組めばよいのか、と思われたかもしれません。

基本は、見込み客の疑問に合うページを用意し、検索エンジンに見つけてもらい、読んだ人が判断できる状態を整え、公開後に確認と改善を続けることです。これから始める方にも、すでに取り組んでいる方にも確かめていただきたい5つの基本を解説します。

見込み客が検索するキーワードを選ぶ

見込み客が検索するキーワードを選ぶ

キーワードは、見込み客の疑問と、自社が具体的に提供できる答えが重なるものを選びます。Googleも、ユーザーがコンテンツを探すときに使いそうな言葉を考えるよう勧めています。(参照:SEO Starter Guide|Google Search Central)

進め方の一例です。

  1. 商談や問い合わせで受ける質問を書き出す
  2. 見込み客の困りごとや、比較・検討で迷う場面を検索語の候補にする
  3. 実際に検索し、上位にどんな種類の情報が並んでいるかを確かめる
  4. 自社が具体的に答えられる問いに絞る

商談や問い合わせで受ける質問を集めるときは、営業担当者やカスタマーサポート(CS)など、日頃から顧客と接している人から情報を得る方法も効果的です。顧客が実際に使っている言葉や、検討の途中で迷いやすい点が分かることがあります。

例えば、先ほどの法人研修の例であれば、企業の担当者が研修の内容や依頼の条件を比べるときに、どんな疑問を持つかを考えます。

競合の記事と同じ項目をそろえることにこだわる必要はありません。自社が答えられる問いから選ぶほうが、記事の役割もはっきりします。

検索意図に応え、一次情報や独自情報を加える

記事では、検索した人が知りたい答えを中心に据えます。そのうえで、事実の根拠と、疑問の解消に役立つ具体的な情報を加えます。

  • 記事で答える問いを決める
  • 事実や仕様は公式資料などで確認し、出典を示す
  • 自社の取材や調査、実務経験から分かったことがあれば、その条件や対象とあわせて示す
  • 必要に応じて、誰が書いたのか、運営者がどんな経験を持っているのかを示す

ここで分けておきたいのが、公式資料を参照することと、自社ならではの情報を示すことです。例えば、Googleの資料で仕様を確かめるのは、正確な情報を伝えるために必要な作業です。一方、自社で実際に試して分かった条件や注意点は、ほかの記事では読めない情報になり得ます。

Googleも、独自の情報や調査、分析が含まれているかを確認するよう勧めています。また、読者が期待する場面では、正確な著者情報を示すことを勧めています。(参照:Creating helpful, reliable, people-first content|Google Search Central)

ただ、著者プロフィールを加えれば評価が上がる、というものでもないでしょう。体験談も、検索した人の疑問に答えるのに役立つものに絞っておくとよいと思います。

関連ページへの内部リンクと問い合わせ導線を整える

内部リンクとは、同じサイト内のページ同士をつなぐリンクのことです。Googleは、リンクは読者と検索エンジンをサイト内のほかのページへ案内する手段であり、リンクの文言はリンク先の内容を伝えるものだと説明しています。(参照:SEO Starter Guide|Google Search Central)

記事の中で、詳しい解説が必要な箇所には、リンク先の内容が分かる文言で関連ページへつなぎましょう。

あわせて、料金、対応範囲、利用条件、依頼の方法など、サービスを判断するためのページも整えておきます。記事を読んだ人がサービスを検討する段階に入ったとき、そうした情報にたどり着けるよう、検討段階に合った場所で案内するとよいでしょう。

内部リンクは読者や検索エンジンに情報を見つけてもらうため、問い合わせへの導線は訪れた人の次の行動を助けるためのものです。役割が違うため、それぞれ整えておくことが大切です。リンクを数のために増やす必要はありません。

検索エンジンがページを取得・理解できる状態にする

役に立つページを作るだけでなく、検索エンジンがページを取得・理解できる状態を整えることも必要です。

Google検索は、ページを見つけて取得する「クロール」、内容を分析してデータベースに保存する「インデックス登録」、検索した人に結果を返す「検索結果の表示(配信)」という3つの段階で動いていて、すべてのページがすべての段階を通るわけではないと説明されています。(参照:In-depth guide to how Google Search works|Google Search Central)

Googleが示す技術的な要件は、次の3つです。(参照:Google Search technical requirements|Google Search Central)

  • Googlebot(Googleのクローラー)がブロックされていない
  • ページが正常に動作している(Googleが成功を示すHTTP 200のステータスコードを受け取れる)
  • インデックスに登録できるコンテンツがある

このほか、意図せずインデックス登録を制限する設定になっていないか、タイトルや見出しがページの内容を表しているか、ほかのページへのリンクがたどれる形になっているかも確認しておきたい点です。

ただし、これらを満たしても、インデックス登録や検索結果への表示が保証されるわけではありません。設定に分からない点があれば、サイトの制作や管理を担当している方に相談してみてください。

公開後の効果を確認し、必要に応じて改善する

公開後は、検索結果での変化と、訪れた後の行動を分けて確認します。

  • Search Console:検索結果での表示回数、クリック数、どんな検索語で表示されたか
  • GA4などのアクセス解析ツール:訪れた後に読まれたページや、問い合わせなどの行動

Googleは、Search Consoleはサイトに来る前の行動、Google Analyticsは来た後の行動を扱うツールで、指標や仕組みが違うため、数値は完全には一致しないと説明しています。(参照:Using Search Console and Google Analytics data for SEO|Google Search Central)

公開後の効果を確認し、必要に応じて改善する

問い合わせなど、事業にとってとくに大切な行動は、GA4で対象の行動を計測するイベントを設定し、キーイベントとして指定すると確認できます。ただ、キーイベントの件数は売上そのものではありません。(参照:[GA4] About key events|Google アナリティクス ヘルプ)

数字を比べるときは、期間の長さや計測の条件がそろっているかも確かめておきましょう。そのうえで、情報が古くなっている箇所や説明が足りない箇所を見つけたら改善します。変更の効果を判断するまでの期間も、あらかじめ記事ごとに決めておくとよいでしょう。

クリックが減った場合も、すぐにAIが原因と決めつけず、検索需要の変化、検索結果の画面の変化、技術的な問題なども確認しておきましょう。(参照:Debugging drops in Google Search traffic|Google Search Central)

なお、Search Consoleには、AIによる概要やAIモードといったGoogle検索の生成AI機能で、サイトへのリンクが表示された回数を確認できるレポートもあります。ページ、国、デバイス、日付ごとに確認することが可能ですが、表示回数が少ないサイトではレポートが表示されない場合もあります。(参照:Generative AI performance report (Search)|Search Console ヘルプ)

更新日だけを新しくしたり、更新の回数を増やしたりすることを目的にする必要はありません。複数の記事のうち、どれから改善するか迷う場合は、リライトの優先順位の決め方も参考にしてみてください。

私自身、メディアを運営する中で、著者情報を整えることは大切だと考えています。一方、SEOへの影響という点では、被リンクのほうが重要だと感じています。

この比較は運営者としての見解であり、Googleの公表資料に基づく重要度の比較ではありません。

被リンクとは、外部のサイトから自社のサイトに向けて張られたリンクのことで、サイト内のページ同士をつなぐ内部リンクとは別のものです。Googleは、ページ同士がどのようにリンクしているかを分析するシステムを使っていて、その一つであるPageRankは今もコアのランキングシステムの一部だと説明しています。(参照:A guide to Google Search ranking systems|Google Search Central)

ただし、被リンクの数だけを追うことはおすすめしません。先ほどお伝えしたとおり、順位操作を目的としたリンクの購入や量産は、リンクスパムに該当し得ます。読者の役に立つ情報を発信し、ほかのサイトから自然に参照されることを目指していただけたらと思います。

まとめ|SEO対策は今も集客に活用できる

SEO対策は今も集客に活用することが可能です。見込み客が使う検索語で上位に表示されれば、流入や認知の機会を得られます。

一方で、ゼロクリック検索や情報を探す手段の広がり、競合の強さ、成果までの時間と費用、順位の変動、アクセスと成果のずれといった理由から、「意味ない」と感じられることもあります。お金も時間もかかるものですから、すべての企業や施策で必ずしも費用に見合うとは限りません。自社にとってどうかを見極めることが大切です。

SEOで期待できるのは、見込み客との接点、比較・検討の後押し、継続的な集客の入口、認知と専門性の伝達です。そのためには、見込み客が検索するキーワードを選び、検索意図に応える独自の情報を加え、内部リンクと導線を整え、検索エンジンが取得できる状態を保ち、公開後に確認と改善を続けることが基本になります。

これからSEOを始める方は、見込み客が抱えている疑問と、それに答えるページを一つ考えるところから始めてみてください。すでに取り組んでいる方や提案を受けている方は、狙っている効果と現状を照らし合わせ、確認や改善を一つ選んでいただけたらと思います。

SEO対策に取り組みたくても、社内の時間や専門知識が足りない場合は、必要な作業を外部に依頼する方法もあります。調査や記事構成、執筆・編集など、自社で対応しにくい部分だけを依頼することも選択肢です。

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この記事を書いた人

企業のオウンドメディアで、企画・構成・執筆・編集から、SEO改善、アクセス分析まで担当しています。HR・キャリア・介護領域を中心に、外部ライターの進行・品質管理にも携わっています。

「編集実務室」では、日々の運用で試したことや考えたことをもとに、記事制作、SEO・AI検索への対応、生成AIの活用について発信しています。ひとりでメディアを運営する方にも役立つよう、実務で使える考え方や進め方をまとめています。

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